小田中 榮夫
会長の独り言


date 独        白
04/03

気は、その人の人生計画を大きく変えます。特に、B型肝炎やC型肝炎に罹患しますとその人生は終着かのように悲観し、生き甲斐を見失い、意気消沈して暮らす人が見受けられます。しかし、たった一度のたった80年前後の短い人生ですから、「生まれてきてよかった」と思えるように、生き甲斐のある、活き活きした人生を楽しみたいものです。それは例え、如何なる障害や病気に罹患していようとも、むしろそれを福に転じて感謝感謝で生きたいものです。余程の障害や病気でも考え様では福と為すことはできなくはありません。
  小生の場合は、C型肝炎に罹患したお陰で一病息災で未だ運動もできた上に、色々な経験やら色々なものの見方が出来るようになったと嬉しく思っております。若し、禁酒を求められるC型肝炎という病気を頂かなかったなら、天地自然の恵みの素晴らしさには目もくれず、日々酒・酒と酒臭い粗暴な暮らし振りであったか、或は、親から引き継がれた伝統の脳溢血血統によりその人生は既に終わっていた確立が高いのです。わが家の若年脳溢血血統は、その脳溢血で父が59歳で他界し、姉も40代前半で倒れ、父親似と言われる小生も64歳の命は九分九厘なかっただろうと思われるのです。そもそも小生の人生には事故が多く、幼児期に身体の7〜8割に火傷を負い、生きる確率は非常に低いと云われたそうです。入学前には手柴の研いだ先端を頭に刺し、外傷は治癒しても脳障害は残ると云われ、小学生の頃には40度の熱を1週間ほど続け、この時も脳障害の覚悟が必要だと云われたとの事。更に、20歳の時には鼻の手術を7回実施し、鼻骨に穴が開いてスピーカーが破れた状態となっております。更に、40歳には脱水症を起こして意識不明で石柱に額を割り、県立紫波病院に運ばれましたが危篤状態として高次救急センターに救急車で転送され入院、それでも、病院の先生方の努力や周囲の方々、或は神様の力もあっての事か、事故による危篤状態を何とか乗り越えてまいりました。(我ながら、余程悪運が強い!と思っております。)そして、52歳の時にC型ウイルス性肝炎が判明し、総合病院でインターフェロン治療を行いましたが、3ヵ月治療の時点で、その効果は全く期待できないと治療中止の相談がありましたが、残りのインターフェロンも是非お願いしたいと懇願し6ヶ月間のインターフェロン治療を終えました。勿論、治療を終えてもウイルスは消えることは有りませんでした。現在は奉職から身を引き、専門医の下で血液検査やエコー検査、CT検査、そして胃カメラによる静脈検査等の検査していただき、1週3回の強ミノC注射と食後のウルソで進行を抑えつつ、山野の散策や還暦野球に汗を流し、庭の1木1草を愛でながら天然自然の恵みの有り難さに感謝し、会の役を仰せつかった中で、多くの方々からパワーを頂戴しながら生きることの素晴らしさを教わっております。過去には不治の病といわれたC型肝炎は医学の進歩に伴い、検査・治療をしっかりやっておれば治る確立は高まり、治らない場合でも進行を抑える治療は出来るようになりました。求められる事は、病気そのものの怖さよりも寧ろ我々患者の病気に対する心構えが大切となりました。残念な事は、C型肝炎だと知りつつ、無症状を良いことにお酒に溺れて検査・治療をしない人の多いことです。「医者に手遅れといわれましたが、助かる方法はないでしょうか」・・との相談を会員以外の方から受けるのですが、そういう電話を受ける度にご家族ばかりでなく、早期に検査・治療をお勧めできなかった我々の責任に胸も痛むのです。きっと、町民の健康を預かる町の担当者も、罹患者の悩みや若年死亡を知るときに、余程胸が痛むことだろうと思っております。我々会員やその道に携わる者には、症状の出ない慢性肝炎時に検査と治療をしっかり行ってきたかどうかが命の長短を決めるのだということを知っているのですが、会員以外の元気者は、無痛症状に甘えて酒浸りの結果、ある日突然のSOSになるのです。或は、苦しくなったらその時は医者に行けばよい、と思っている人もいるのです。こうした話を耳にする度に、ウイルス性肝炎の正しい知識や対応について、もっともっと力を注いでいかなければならないと思っておりますし、その啓蒙が我々会の使命の一つでもあるとも思っております。雑木雑草の命同様に我々の命もまた限りあるものでありますが、天与の命、もっともっと大切に大事に有り難く使わして頂かなければなりません。我々の余命の最終地点は誰にも判らないのですが、命の尊さに鑑み、健康な方にも、病を持つ方にも、そして心身のどこかに障害のある方にも、日々毎朝毎朝が自分の余命の出発日であり、一日一日をしっかりと生きよう、後悔無きようしっかり生きよう、とした決意が必要ではなかろうかと思う近頃です。

03/08  会が発足して3年、この間に紫波町内だけでもC型肝炎を原因として亡くなられた方々が相当数おられます。遺族の方に伺ってみますと、早期からの検査・治療を受診してこられた方は少なく、ましてや、専門医による定期検査と適切な治療を早期から受診してこられたという方は殆ど居られないようです。
 又、家庭での生活ぶりを伺って見ますと、お酒や煙草が好きで止められなかったとか、仕事が忙しくて食後にゆっくり休んだ事がないとか、お酒やマージャンで夜更かし・午前様が多かったとか、余り痛いとか苦しいと言った事がなかったので・・・、C型肝炎に対する理解不足で、特に肝硬変や肝癌に拍車を掛けるような生活ぶりがうかがえます。
 会の設立趣旨・目的を、会員同士の励まし合いや支え合いを中心にと考えてきたのですが、今ここに来て、C型肝炎罹患者の余りに多いこと。その罹患者が適切な検査・治療を欠いている事・・・等が判り、C型肝炎罹患者に如何にして適切な検査・治療を受けさせるかが大きな課題となってきております。
 幸いにして今年7月、吉沢先生(広島大学)のご講演を聞かせていただきましたところ、岩手県でも広島県方式を取り入れて、自治体・専門医・開業医がスクラムを組んで罹患者全員を指導し治療していく。との方針を聞かせていただき、一寸安心をしたところですが、果たしてこれがいつまでに発車するのか、或は、この指導によって罹患者全員が治療に本腰を入れるのはいつ頃かと考えますと、これが俗に言われるお役所仕事にならないようにと祈るばかりです。
 地域的なものもあるかもしれませんが、未だにC型肝炎に対する誤解や不理解も多く、その為に、家庭内で阻害されて泣いているとか、肝臓友の会にも入れない、講演も聞きにいけない、治療を受けることも出来ないという相談も多く、正しい肝炎の啓蒙活動は、一層強めていかなければならないと考えているところです。
 また、罹患者の問題として、自分の肝炎は余程進行していると疑心暗鬼による心配も多く、時にはそれが原因で夜も眠れず、食欲も進まず、精神的に落ちて鬱状に陥っている場合もあります。こうした状況に陥る原因として、主治医の先生から患者さんに、納得できる懇切丁寧な説明が為されていない場合も多く、医師の問題として、患者さんが理解・納得・安心できるような説明が求められます。 
近年特に肝炎の薬や治療は日進月歩の勢いで進歩しており、進歩した適切な検査と治療を受診していれば、ほぼ平均寿命は生きられるとも言われており、肝硬変や肝癌といえども疑心暗鬼に陥る必要はありません。
特にC型肝炎は一生涯治療の必要な方が多く、医師の選び方も慎重が求められます。C型肝炎の治療法が日進月歩の勢いで開発されている今。C型肝炎の治療に長けた、新しい治療法を理解し積極的に医療現場に取り入れる事のできる医師、患者を良く理解されて患者に適合した治療を選択できる医師、こうした医師と二人三脚で治療に取組む必要があります。また、心配をしていますと、心が塞ぎがちになりやすいのですが、感染した事実は今更どうにもなりませんから、これは諦めて、治療は主治医を信じ、心は常に明るく、日々生き甲斐を感じつつ、感謝感謝で過ごせば、一病息災で素晴らしい人生を全うできるかも知れません。
有り難い人生。お酒を飲めなくてもいい、煙草を吸えなくてもいい。生きていることを大事に、天然自然の素晴らしさを謳歌しながら、人生をありったけ楽しみ、素晴らしい人生を謳歌したらいい。